課題解決のためのアイデアを創る  アイデア広場 その1672

 アイデアを生み出すことは、知的作業の中核になります。新しいアイデアを生み出すことが、あらゆる分野で重要な課題になってきました。「アイデアを出す能力」と、「アイデアを出し続ける能力」は、どちらも重要になります。この二つのことを簡単に実行できる仕組みをつくり出すことが、課題解決を重視する社会では評価されます。アイデア作成には、一連の過程があります。まず、記憶した知識や今までの経験など自分の側頭葉に蓄積したものがあります。次に、自分の蓄積した知識と収集したデータの組み合わせで、徹底的に課題解決を考えます。次が難しいのですが、いったん考えたことを忘れて、潜在意識にデータの組み合わせをまかせることになります。いわゆる「寝かせる」とか「熟成させる」という期間を準備することになります。

 次は、寝かせたアイデアを取り出す具体策になります。新しいアイデアは、頭の中にあるさまざまな考えと課題に関する情報の組み合わせから作り出されます。このアイデアは、考え続けることによってしか出てきません。アイデアを出し続ける方を観察すると、いろいろな方がいることが分かります。たとえば、散歩を習慣にする方に、アイデア出し続ける方が多いことが分かっています。これは、散歩以前に課題を解決するために情報を頭に継続的にインプットする作業があって初めて、成り立つ現象になります。情報のインプットがなければ、アイデアのアウトプットは起こりません。ある方は、コーヒータイムの時にアイデアが出ると言います。これを注意深く見ていくと、面白いことが分かります。コーヒーのカフェインは、睡眠物質であるアデノシンを抑制する作用があります。コーヒーは、脳内物質を抑制し覚醒効果と集中力を高める効果があるわけです。社内のコーヒータイム(課題解決に集中している緊張状態の時)に、仲間との何気ない会話(課題解決のヒントに触れる瞬間)に、コーヒーの覚醒効果とが相乗的に反応し、アイデアが生まれるという現象が生じることもあるわけです。

 個人の頭の中における組み合わせでも、アイデアは出てきます。でも、最近は個人によるアイデアよりも、チームによるアイデアの量産や質の高さに注目が集まっています。チームには、個人にはない多様な情報(知識と経験)があります。個々人は、各自が得意分野の情報を持っています。その情報を出し合い、そして共有して、ともに生産性を高めるような合理化や効率化を推進する仕組みに関心が高まっているのです。アイデアは、知識と経験の総和から生まれます。課題解決に導くためには、いくつかのアイデアが必要になります。新しいアイデアを生み出すひらめきには、深く広い知識や経験が求められます。懸命に課題を考え、いろいろな知識の組み合わせをし、試行錯誤を一生懸命に繰り返します。その一生懸命の緊張を弛緩させたとき、ひらめきが生まれます。もっとも、生まれたばかりのアイデアは、そのままでは使えない場合もあります。生み出し出たアイデアを論理的に検討して、本物かどうか見極めていく過程も必要です。アイデアを見極めていく過程において、課題の解決に結びつくかという見極めも当然に求められます。

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