桐谷広人さんは、優待株の投資家として有名です。彼は、優待株への投資だけで4億円以上の資産を築いています。桐谷さんの極意は、シンプルです。売買の前提は、株価が安い銘柄を買うことになります。安値で取得した株が、反転して上昇するのをじっと待つのです。もちろん、時にはコロナショックのように相場が急落することもあります。相場が急落しても、慌てて保有株を売ったりせず、好機と捉えて新規に投資する大胆さを持ち合わせています。急落した場合に備えて、資金を捻出して、捻出した資金を投資に充てる手法のようです。桐谷さんは信用取引をしないで、現物株取引のみで優待株投資が中心になります。極意は、優待品を活用して支出を抑え、余裕資金を投資回すことです。金で払うのは、家賃や光光熱費、電話代などだけのようです。楽しいことに、ほとんど現金を使わず優待品や優待券で生活しているのです。身に着けるもの、食べるもののほとんどは優待で賄っています。株価が安い銘柄の目安は、配当と優待を合わせた総合利回りが4%以上であることにしています。優待をもらいながら生活費を圧縮し、捻出した資金で新しい銘柄に投資するサイクルを繰り返し、4億円を維持しているようです。このような株の運用を行えれば、楽しい生活ができます。今回は、株の運用から、個人の生活の楽しみ方、社会への貢献の仕方などを考えてみました。
私の知人にも、優待株をいくつか持って楽しんでいる優雅な人たちがいます。80歳に届く年齢になり、何か役に立つことはないかと思うようになったそうです。優待株の中に、子ども食堂への支援というものがあります。それを指定して、子ども食堂との関係を持つことで、社会のつながりを実感している知人もいます。もう1人の知人は、スズメやシジュウカラとの交流を楽しんでいます。彼は、落花生の両端を切り取り、落花生に銅線を通して吊るしておくのです。すると、スズメやシジュウカラがやってきて、突いて食べていきます。その姿を見るのが楽しいのだそうです。朝の十時ごろ吊るすと、翌朝には落花生の豆はきれいになくなっています。スズメの食べ方は、大胆で、落花生の上から食べていきます。それに比べると、シジュウカラの食べ方は洗練されています。落花生にぶら下がりながら、速く細かい突き方で豆を食べていきます。彼は、この光景をいつまでも見たいと思っています。冗談に、「死んだら見れないだろう!」と言ったら、「いや、見るような仕掛けを作っている」とのたまったのです。その仕掛けは、優待株でした。彼もいくつかの優待株を持っています。その一つの株の配当が年間2万円程度です。落花生は、1週間に1袋200円程度で小鳥を観察できます。年間1万円程度の費用で、この楽しい光景を見ていたわけです。死後は、株をそのままにして、息子(または小鳥の好きな人)に引き継いでもらうと言っていました。
金融庁は、老後の資金として2000万円ほど蓄えておくことを推奨しています。2000万円は難しくとも、1000万円の資金は、国民の半分程度が持っているようです。提案は、この資金を優待株の形式で保有することになります。1000万円すべて株で保有するには、リスクが伴います。300万円ほど優待株で保有することになります。株式投資で有目な桐谷さんが推奨する優待株は、300万円程度で20銘柄(100株)ほど購入できます。この20銘柄の優待+配当の平均は、5.1%になりました。さらに配当のみでは、3.4%でした。単純に考えて、年間10万円程度の配当金を得て、6万円ほどの商品やサービス券を受け取れることになります。これはこれで、お小遣いになります。もう一つの工夫は、20銘柄の配当を郵便局で受け取る仕組みにすることです。この仕組みを採用すると、年間40日、郵便局に通うことになります。この時、8000歩以上歩くコースを作っておきます。この郵便局通いは、1週間に1度程度を8000歩以上あるく機会を得ることになります。歩くことは、健康寿命を伸ばすことに繋がります。少ないながらも、株の配当を得ながら、健康寿命と資産寿命を享受できる仕組みができるというわけです。ここに、仲間と株の情報交換などしながら、世界の政治や経済のお話をすることも、新しい老後の脳トレになるかもしれません。
現在、若年層に働いてもらい高齢者の年金を捻出て得もらっていますが、年金という制度は十分ではありません。若年層には、将来の年金制度に不安があります。もちろん高齢者も若年層も、「健康寿命」と「資産寿命」をまとうできる人生設計を描こうとしています。全うできる人生を送るために、金融庁は資産形成や運用などの自助努力に取り組む必要性を国民に促しました。例の2000万円を持つことで、生涯の生活を豊かに暮らせるというものです。「人生100年」で生じる問題は、「健康寿命」と「資産寿命」をいかに延ばすかに集約されます。衣食住が安定している地域は、人々の住みやすい環境になります。このような環境であれば、人間の本能である子孫を繁栄させる行為も自然に盛んになるようです。経済環境を整えれば、少子化の問題などを解決する糸口になります。現在、問題になっているもう一つは、若い世代が高齢者を支える福祉制度の矛盾です。高齢者世代は、多くの資産を持っています。一方、若い世代は少ない資産で、高齢者を支える福祉制度になっています。この不合理を少しでも解消する仕組みの実現が、少子化を多子化に社会に変える原動力になるようです。
スイスの金融大手UBSが発表したレポートによると、2025年時点において日本で純資産が10万ドル(約1,500万円)以上ある成人は、約2,770万人と推計されています。このうち、純資産100万ドル(約1.5億円)以上のミリオネアは約273万人になるようです。蛇足になりますが、10万ドル超の純資産を持つ人は、中国がアメリカを追い抜いて、世界最多となりました。純資産10万ドル超の成人数は、中国が1億1300万人になります。アメリカの純資産10万ドル超の成人数は、1億300万人になります。もっとも、アメリカでは、100万ドル超の純資産を持つ成人数は2027万人もいます。日本は、3人に1人は、純資産が10万ドルの層に入ることになります。私たち庶民には、実感のない数字ですが、世界が認める現実になります。もう一つの現実は、死亡者数です。厚生労働省が発表した直近の統計(令和7年人口動態統計月報年計の概況)によると、日本人の年間死亡者数は約159万人になります。一方で、2023年~2025年日本の出生者数は、2023年が 約73万人、2024年が 69万人、2025年が(概数): 67万人となります。日本の資産保有者は、高齢者に偏っていると言われています。おおよそ150万人のうち、60~70万人は、10万ドルの資産を持つ人になるようです。もし、10万ドルの資産を持つ亡くなる60~70万人が、生まれてくる子ども達にその資産を優待株の形式で譲ればどうなるでしょうか。その子ども達は、1500万円の株の配当(約60万円)が、毎年入ることになります。子どもを持つ親の立場からすると、子どもを産めば生むほど、生活が楽になるパラダイスが出現します。
余談になりますが、パラダイスは、穏やかさ、安らかさ、ゆるやかさを基調とするもののようです。この基調を支えるものが、家庭生活を支える経済力になります。近代以前の農業社会で重要なことは、女性は子どもを沢山産むことが求められていたことです。子どもは、富の基盤であり、子沢山は農耕社会において、富をもたらす源泉でした。女性が子を産み、母子ともに出産を乗り越えられれば、一家の暮し向きは良くなりました。できるだけ多くの子を産むことが女性の主な仕事だったのです。人間はセックスが好きで、避妊せずにセックスをすれば子どもができます。性的欲求を満たしながら、富の源泉である子どもを多く持つことは理想でもありました。近代以前は、子どもたちが親の面倒を見てくれることは慣習でもありましたが、経済的にも合理的な構造だったのです。科学が進歩しても、伝統的慣習は、そう簡単には変わらないものです。家族連れが大挙して都市に移り住むようになってからも、子どもは貴重な資産であり続けました。たとえば、産業革命初期の英国では、子どもが六歳になれば、親は旧式の工場に働き手として送り込み、賃金を受け取る光景がありました。
最後になりますが、近代工業が徐々に形ができてくると、教育を受けた労働者が必要になってきます。工場が複雑になるにつれて、六歳児では用を足さなくなります。ある意味、産業の高度化とともに、子どもの経済的価値は低下していきます。子どもが経済的に役立つ存在になるためには、学校に行って、読み書きそろばんを学ばなくてはならなくなりました。子どもは、家族の所得を増すどころか、金食い虫になりました。衣食住に金がかかる上、子どもが必要とする教育の量も質も劇的に増えていきます。読み書きやプログラミンする能力は、農業社会おいて草取りや種蒔には必要ないものです。でも、産業が進めば進むほど、必要なスキルが求められます。企業も生産性を高め利益を多く得るためには、仕事のやり方を常に変えていきます。その対応に追いつくために、課題解決能力が求められます。そこには男女の区別よりも、解決能力の優劣で選別されていきます。生産年齢の現役世代だけでは、自分たちの老後を支えてくれる子ども達を優秀な人材に育てることが難しくなっている現状があります。そこで、天国に移り住む裕福な60~70万人の方が、新たに生まれてくる子ども達に、1500万円の優待株を譲渡し、毎年生涯にわたって60万円程度の生活費を獲得できる仕組みを構築することも面白いかもしれません。これから、何年かは150万人の方が亡くなります。そして60~70万人の子ども達が生まれてきます。亡くなる方が資産を生まれる子どもに譲渡する仕組みを、永久に続けることができれば、農村社会や工業化社会、そしてIT社会をブレイクスルーする社会が姿をあらわすかもしれません。
